【解説】土地と建物の持分を変更した理由と更正登記・更正の請求の方法(住宅ローン借入時の持分設定に注意!)

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私たちは住友林業で注文住宅を建てましたが、土地購入費用を含めて住宅ローンを利用しています。

住宅ローンを借りた場合、確定申告で申請すれば住宅ローン控除を受けることが可能です。

住宅ローン控除を受けたタイミングで適用される条件や控除金額の計算方法などが変わりますが、夫婦でペアローンや収入合算(連帯債務借入)を行っている場合は、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることが可能です

私たちも夫婦でペアローンを組んでいるのですが、夫婦それぞれの土地・建物の持分登記を適当に行ってしまったために、住宅ローン控除の控除額が本来受けられる上限額よりも少なくなっていました

本記事では、住宅ローン控除を最大限活用するための持分の設定方法と、持分を誤って登録してしまったときに修正する手続きである「更正登記」、そして確定申告の「更正の請求」について解説します。

住宅ローン控除の控除額が想定よりも少ない?

私たちが住宅ローンを利用した2021年の住宅ローン控除のルールは下記の通りでした。

  • 対象:2021年9月30日までに工事請負契約をして2022年12月31日までに入居
  • 減税期間:13年
  • 控除額(当初10年):毎年末の住宅ローン残高の1%相当額(1年あたり最大50万円 ※長期優良住宅)
  • 控除額(11年~13年目):「各年末の住宅ローン残高の1%」と「建物金額×2%÷3」のうち小さい金額

これだけ見ると、単純に住宅ローン残高の1%が税額控除されると思いがちです。

kikorist妻
kikorist妻

私たちもそうでした。

上記自体は正しいのですが、ペアローンや収入合算(連帯債務借入)などで、土地・建物を夫婦の共有名義としてそれぞれの持分を設定し、住宅ローン控除を組む場合は、借り入れ額の割合や持分の割合に応じた控除額を計算するという落とし穴があります

持分比率を適切に設定しないと、本来控除が受けられる住宅ローン控除の控除額が減ってしまうのです。

kikorist夫婦はともに確定申告をしているのですが、私の住宅ローン控除の金額が残高の1%よりも少なかったために気付くことができました。

kikorist夫
kikorist夫

初年度からおかしいなと思っていたんですが、2年目で控除額が減少している原因と計算に気付きました。

kikorist妻
kikorist妻

確定申告ではなく、年末調整の還付だったら、色々な還付が混ざっているから、気付かなかったかもしれないね。

住宅ローン控除の控除額が少ない原因は夫婦の持分比率

理解しやすいよう、次のような例を考えてみます。

3,000万円の土地と5,000万円の建物を購入し、夫婦それぞれが5,000万円と3,000万円の住宅ローンを組んだとします。

住宅ローンの金額

住宅ローンの金額

夫と妻、それぞれの負担割合は下記の通りになります。

住宅ローンの負担割合

住宅ローンの負担割合

夫の年末残高が5,000万円だとすると、住宅ローン控除は残高の1%である50万円が最大の控除額になりますが、最大の控除額を受けるためには、登記する持分の割合を、負担金額に合わせた割合に設定する必要があります

具体的に、夫の確定申告の住宅ローン控除の計算欄を見てみましょう(分かりやすくするために、確定申告書類から一部表現を変更しています)

まず持分割合(②)を負担割合にあわせたパターンです。

負担割合と持分割合をあわせた場合

負担割合と持分割合をあわせた場合

この場合、住宅ローン控除額はローン残高(5,000万円)の1%、50万円です(⑨)。

次に、夫婦でそれぞれ負担しているからと、持分割合(②)を負担割合と異なる2分の1にしたパターンです。

負担割合と持分割合が異なる場合

負担割合と持分割合が異なる場合

住宅ローンを借りている金額(夫の場合5,000万円)に変わりはありませんが、住宅ローン控除の金額は40万円に減少してしまいました(⑨)。

これは、夫は実際には8,000万円の住宅ローンのうち5,000万円を負担していますが、夫婦の持分割合が2分の1ずつのため、夫が負担する借り入れ金額は、持分割合(=この場合2分の1)に応じた4,000万円でなければならないという考えによるものです(図の⑤と⑦の部分)。

したがって、計算上の住宅ローン控除額は4,000万円(⑧)の1%の40万円が上限となります

加えて、持分割合からすれば妻は本来4,000万円負担すべきですが、実際は3,000万円しか負担しておらず、差額の1,000万円は夫から妻に贈与されたものとみなされて、贈与税の対象になる場合があります

以上の例から、登記する持分の割合と住宅ローンの負担比率を間違えると、住宅ローン控除額が減ってしまうことが分かります。

kikorist妻
kikorist妻

私たちの場合も、まさにそのパターンでした。

あわせて、妻の住宅ローンの控除も計算してみます。

負担割合と持分割合をあわせた場合

負担割合と持分割合をあわせた場合

負担割合と持分割合が異なる場合

負担割合と持分割合が異なる場合

妻の住宅ローンの控除の金額は変更ありません(持分の割合が負担割合よりも高くなっていますが、住宅ローンの控除は⑤と⑥の少ないほうで計算されるため)

持分割合を負担割合と異なる割合にしてしまった場合、夫婦合計で受け取れる住宅ローン控除は減少します。

kikorist妻
kikorist妻

と、いうか住宅ローン控除を最大限受けるためには、持分割合と負担割合を同一にする必要があります。

住宅ローン控除を最大限受けるためには持分比率を負担比率と同一にする

ペアローンや収入合算(連帯債務借入)で住宅ローン控除を受ける場合は、必ず登記上の持分は、購入資金の負担割合にあわせるようにしましょう

住宅ローンの融資を受ける際、登記を担当する司法書士から持分比率をどうするか聞かれますが、持分比率が住宅ローン控除にまで影響することを説明してくれるとは限りません。

kikorist夫
kikorist夫

持分は自由に決めることができちゃう。例えば、夫しか購入費用を出していなくても、妻を共有名義にして持分を設定することもできます(贈与にあたりますが)

購入資金の負担割合が違うにもかかわらず、「夫婦で購入しているから、とりあえず2分の1ずつで…」としてしまうと、結果として住宅ローン控除で大きな損をしてしまうことになります

kikorist妻
kikorist妻

私たちのパターンがまさにそれ。

kikorist夫
kikorist夫

担当司法書士もちゃんと説明してくれればいいのにね…。

まさかこんな罠があるとは。

しかも、住宅ローン控除は最大13年に渡って受けることになるので、下手をすれば数十万円×13年分のマイナスが発生してしまうことになります

kikorist妻
kikorist妻

間違えてしまった場合、修正して何とか控除を正しい金額で受けられるようにはできないの?

kikorist夫
kikorist夫

何らかの勘違いやミスにより間違えて登記をしてしまった場合、「更正登記」という手続きをすることで、登記情報の修正が可能です。

kikorist夫
kikorist夫

また、「更正登記」をした上で、確定申告の内容を修正し、住宅ローン控除の差額を請求できる「更正の請求」という手続きをすることで、過去分の住宅ローン控除に遡って還付金を受け取れたり、今後の住宅ローン控除の金額を修正することができます

以下では、私たちが行った「更正登記」と「更正の請求」の手続きについて説明します。

持分の登記を間違えてしまった場合は「更正登記」を行う

持分割合を負担割合と異なる割合で登記してしまった場合は、「更正登記」を行うことで登記情報の修正が可能です。

持分を修正する更正登記の手続きは、下記の通りです。

①必要書類を準備する

  • 登記原因証明情報
    ※持分に関する登記が誤りであったことを証明する資料(土地の売買契約書、工事請負契約書、住宅ローンの借入金額の証明書など)
  • 更正登記の申請書(土地建物それぞれ)
  • 収入印紙(修正1件につき1,000円を更正登記の申請書に貼付する ※土地・家屋を修正する場合は合計2,000円)
  • 更正する不動産登記識別情報通知
  • 印鑑証明書(夫婦それぞれ)
  • 実印
  • 認印(実印でも可)
  • 委任状(夫婦そろって法務局の窓口に行く場合は不要)
  • 返信用封筒(返送先と切手貼付 ※更正後の登記識別情報を直接取りに行く場合は不要)

②上記を管轄の法務局に提出する

なお、住宅ローンを借りた銀行が抵当権が設定登記されている場合であっても、この抵当権者は登記上の利害関係人とはならず、抵当権者の承諾書は不要。持分の変更だけであれば、銀行に書類などを準備してもらう必要もありません。

私たちは自分たちで更正登記を行いましたが、司法書士に依頼することも可能です(司法書士に依頼した場合、司法書士報酬として3万円程度かかります)。

kikorist妻
kikorist妻

自分たちでやれば収入印紙と印鑑証明発行費用だけで済みます

司法処理に依頼してももちろん構いませんが、依頼するためには必要な情報・書類を準備し、それらを司法書士に渡す必要があることを考えれば、自分たちでやったほうが早い気がします

kikorist夫
kikorist夫

書類を準備した段階で終わったも同然です。

更正登記の手続きで難しいのが、「登記原因証明情報」と「更正登記の申請書」の準備になるかと思いますが、法務局で無料相談を受けることができ、親切に教えていただけます(要事前予約)。

本来であれば私たちが使った「登記原因証明情報」と「更正登記の申請書」を公開したいのですが、自分が利用すること以外で公開することは、司法書士の独占業務として司法書士法3条1項2号が定める「法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類」の作成にあたる可能性があるため、公開ができません。

ご自身での作成方法が分からない場合は、法務局の無料相談をご利用ください。

過去に遡って住宅ローン控除の金額を修正する「更正の請求」

更正登記の完了後、今度は過去の住宅ローン控除に関する申告金額を修正するための「更正の請求」という手続きを行います。

kikorist妻
kikorist妻

「更正の請求」は「修正申告」と違うの?

kikorist夫
kikorist夫

「修正申告」は、申告した納税額が本来納税すべき金額よりも少なかった場合=追加で税金を納める場合に行う手続きです。

kikorist夫
kikorist夫

それに対して「更正の請求」は、申告した納税額が本来納税すべき金額よりも多かった場合=税金の還付を請求する場合に行う手続きです。

更正の請求は、住宅ローン控除の金額を間違えていたなどの場合に利用することができる手続きですが、そもそも住宅ローン控除を申請していなかった場合は更正の請求は使えません(利用できるのはあくまで金額の修正のみ)。

そこで、「更正の請求」に似たものに「更正の嘆願」というものがあります。更正の嘆願は、本来適用できないものを嘆願書を出して「お願い」ベースで税務署に申告するというもので、必ずしも受理されるとは限りません。

kikorist夫
kikorist夫

修正申告は、基本的に受理される上に延滞金まで払わされるけど…。

ちなみに、更正の請求で還付金を受け取る場合は、利息などは払われません。

あくまで、申告者のミスに起因するものなので…。

更正登記が完了していれば、更正の請求は受理される可能性が高いと言えます。

kikorist夫
kikorist夫

法務局が錯誤=勘違いによるミスがあったと認めてくれているわけなので。

また、更正の請求は法定申告期限から5年以内に申告する必要があり、それを過ぎた場合は申請することができません

kikorist妻
kikorist妻

私たちは2年目で気付いたのでセーフ!

更正の請求の手続きは、国税庁の確定申告書等作成コーナーから行うことができます(e-taxを行っている場合)。

確定申告書等作成コーナー

確定申告書等作成コーナー

e-taxであれば、確定申告と同じく、購入金額や持分などをフォームに合わせて入力するだけで更正の請求に必要な書類を作成し、そのまま電子申請することが可能です。

もし、e-taxを行っていない場合は、所管の税務署に相談してください。

kikorist夫
kikorist夫

書面提出がかなり複雑なので、ご自身ではなかなか難しいと思いますので、相談日などを利用することをオススメします。

更正の請求書には、「更正の請求をする理由、請求をするに至った事情の詳細等」という欄がありますが、そちらは下記のように記入しました。

土地・家屋の持分に錯誤があり、持分を修正する更正登記を実施したため。

なお、複数年の住宅ローン控除を修正する場合は、年度分の更正の請求が必要です。

kikorist妻
kikorist妻

私たちの場合は、2年目の確定申告期間中に気が付いたので、2年目の確定申告では更正登記を反映した住宅ローン控除で行い、更正の請求は初年度分だけ行いました。

書類等の不備がなく、更正の請求が認められれば、申請から約3か月後に指定口座で還付金を受け取ることができます。

kikorist夫
kikorist夫

無事に公正の請求が認められて還付されることになりました。

kikorist妻
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ところで、2年目は年末調整で住宅ローン控除の還付を受けていて、3年目以降に気付いた場合はどうすればいいの?(うちは2年目も確定申告してたけど)

kikorist夫
kikorist夫

その場合も更正の請求ができるらしいです。
詳しくは税務署に聞いてみてください。

本記事のまとめ

本記事では、住宅ローン控除を最大限適用するために、持分割合と費用負担割合をあわせること、そして持分が間違っていた場合の修正する「更正登記」、住宅ローン控除の金額を修正する「更正の請求」についてまとめました。

特に持分割合が住宅ローン控除に影響することは、意外に皆さんが知らない「隠れた落とし穴」になっているので、注意してください

参考になれば幸いです。


kikorist妻
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既に完成してwer内覧会している方のブログは特に参考になるはず。

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kikorist夫
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