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住友林業で建築中のkikorist新邸での「ホームシアター導入記」シリーズ。「kikorist新邸という実例を通して、どのように注文住宅にホームシアターを構築していくのか」という過程を丁寧に紹介していきます。
前回の記事はこちら。
本記事では、前回のスピーカー選びとあわせて、ホームシアター導入の前提となる、AVアンプ選びの前提知識について解説します。
ちょっと回りくどいようですが、前提知識をしっかり身に付けることで、ホームシアターの機器選びや導入の理解が圧倒的にしやすくなります。スピーカーレイアウト/サラウンド編およびスピーカー編をお読みではない場合は、ぜひそちらからお読みください。
スピーカーとアンプの関係
の復習ですが、「アンプ」は、電気信号を増幅させるための機器です。
プレーヤーやスマホなどの電子機器から出力される電気信号は、もともと微弱な信号でしかありません。イヤホンやヘッドフォンであれば直接繋いでも音が出ますが、スピーカーのような大きな機器に直接繋いだ場合は薄く小さな音にしかなりません。
そのため、プレーヤーやスマホといった再生機器とスピーカーの間に、アンプを挟むことによってその信号を増幅し、スピーカーを駆動させるために十分な電気信号に変換します。
ホームシアターでは「AVアンプ」と呼ばれるアンプを使用します。ホームシアターでは多数のスピーカーを使用することが一般的なので、AVアンプには複数のアンプを内蔵しているのが特徴です。「内蔵されているアンプの数=駆動できる最大スピーカー数」なので、AVアンプによって設置できるスピーカーの最大数が決まります。
AVアンプの機能
AVアンプは、プレーヤーから受け取った電気信号を増幅するアンプが複数搭載されている以外にも、重要な機能がありますので、解説していきます。
HDMIの背面は端子がずらっと並ぶので、苦手意識を持つ方も多いと思います。
基本的には入力用のHDMI端子、出力用のHDMI端子、スピーカー出力端子しか使うことはないので安心してください。
今どきの機器は映像・音声が全部HDMI1本で伝送できるから楽ちん。
入力機器のセレクター
ホームシアターでは、様々な再生機器が繋がります。
主要なものでは、ブルーレイディスクレコーダー(もしくはプレイヤー)、ゲーム(PS4/PS5/Switchなど)といったところだと思います。最近ではAmazon Fire TV stickやApple TVといったデバイスを繋げる方も多いかもしれません。
また、最近のAVアンプはBluetoothを搭載しているので、スマホと繋げて音楽を再生したりもできます。
そのようなAVアンプに繋がる多数の再生機器(入力ソース)から、どの機器の映像/音声を再生するのか選択/切替する機能をAVアンプは搭載しています。
しかも、AVアンプはHDMIで繋がれた機器と連動する機能を搭載しているので(HDMI CECと言います)、繋げた機器に連動してアンプの電源や入力を切り替える機能を搭載しています。
例えば、BDレコーダーのリモコンでBDレコーダーの電源を入れると、自動的にアンプの電源もONになり、入力がBDレコーダーに切り替わります。
そしてテレビやプロジェクターなど出力機器の電源をOFFにするとアンプの電源もOFFになります。
出力機器のセレクター
ローエンドのAVアンプはHDMI出力端子は1つですが、ミドルレンジ以上のAVアンプはHDMI出力端子を2つ搭載しています。
これは、テレビとプロジェクターを併用する際に場合に、わざわざAVアンプ背面から抜き差しして切り替えるのは面倒なので、出力端子を2つ搭載して切り替えを可能にしているのです。
映像・音声の変換
再生機器から出力された映像信号・音声信号をAVアンプが出力用信号に変換します。
映像は入力端子から出力端子にパススルー(加工することなく通すだけ)することが多いのですが、AVアンプによってはフルハイビジョン以下の映像を4Kにアップコンバートすることが出来ます。通常のフルハイビジョンのBlu-rayディスクも4K相当で再生することが可能です(ただし、当然ながら疑似なので最初から4Kで収録されているコンテンツには劣ります…)。
また、再生機器から出力された音声信号はデータが圧縮された状態です。それを本来の状態に復号(デコード)するのもAVアンプの役割です。再生したい音声フォーマットがAVアンプでデコード可能かどうかは特に重要です。せっかくコンテンツがDolby Atmos形式に対応していても、AVアンプが対応していなければDolby Atomos形式を再生することができません。
アンプ(スピーカー出力)
これは既に解説したように、再生機器からの信号をAVアンプがスピーカーを駆動させる機能です。
その他(ラジオ/USB再生/音楽配信サービス再生など)
最近のAVアンプは多機能化が著しく、AM/FMラジオ、USBメモリに保存した音楽ファイル(ハイレゾ含む)、Amazon Prime MusicやSpotify、radicoなどの配信サービスも再生可能です。
また、有線LAN・無線LANを搭載し、Apple Air Playでの再生、Amazon Alexaでの音声操作、スマホアプリでの操作などにも対応しているなど、使いきれないほどの機能を搭載しています。
AVアンプの仕様(スペック)の見方
ここではAVアンプを選定するにあたって、AVアンプの仕様(スペック)の見方を解説します。
例として、DENONのAVR-X2700Hを取り上げます。
仕様 | |
搭載パワーアンプ数 | 7ch |
定格出力 | 95W+95W |
実用最大出力 | 185W |
適合インピーダンス | 4 ~ 16Ω |
周波数特性 | 10Hz ~ 100kHz |
S/N比 | 100dB |
無線LAN | ネットワーク種類:IEEE 802.11a / b / g / n 準拠(Wi-Fi® 準拠) 無線周波数:2.4GHz / 5GHz |
Bluetooth | バージョン:4.2 |
HDMI端子 | 入力×6: ※8K対応入力×1(HDMI 6) 出力×2(モニター×2): ※8K対応出力×2(モニター1/2) |
アナログ映像入出力端子 | コンポジット入力×2、コンポーネント入力×2、コンポジット出力×1、コンポーネント出力×1 |
音声入出力端子 | アナログ音声入力×4、PHONO入力(MM)× 1、光デジタル入力×2、サブウーハープリアウト×2、ゾーンプリアウト×1、ヘッドホン出力×1(フロント) |
の仕様表には対応フォーマットやHDMIの細かいスペックが掲載されていないので、テキストで書かれている特徴欄から重要なものを抜粋しました。
特徴から抜粋
- 最大出力185Wの7chディスクリート・パワーアンプ(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動、JEITA)
- Dolby Atmos、DTS:X、MPEG-4 AACに対応
- Dolby Atmos Height Virtualizer、DTS Virtual:Xに対応
- シンプル&ストレートを徹底したプリアンプ、ボリューム回路
- Video – 8K Ultra HD / HDR10+ / HDCP 2.3に対応
- 8K / 60p、4K / 120p 対応 HDMI入出力
- 映像体験を革新するHDMIの最新機能をサポート(HDR10+ / Dynamic HDR / HDR10 / Dolby Vision / HLG / BT.2020 / VRR / QMS / QFT / ALLM / eARC)
- 8Kアップスケーリング機能
- Network – HEOSテクノロジー搭載
- 幅広い音楽ストリーミングサービスに対応(Amazon Music HD / AWA / Spotify / SoundCloud)
- 5.6 MHz DSD&ハイレゾ音源対応(ミュージックサーバー& USBメモリー)
- インターネットラジオ(TuneIn)、AirPlay 2、Bluetooth®(送受信)、Amazon Alexa音声コントロール対応
対応音声フォーマット
上で説明したように、対応音声フォーマットは特に重要です。
7.1ch以上のアンプを搭載したアンプではDolby Atmos、DTS:Xに対応しているかどうかを確認してください。5.1chであればDolby Atmos、DTS:Xは関係ないので、Dolby TrueHD、DTS-HD Master Audioへの対応を確認してください。
サラウンド・スピーカー知識編で説明した通り、最新のフォーマットに対応していれば、旧規格のフォーマットにも対応しています。
最新機種では、Dolby Atmos Height Virtualizer、DTS Virtual:Xという技術が登場しています。これは、サラウンド・スピーカー知識編で説明したDolby AtmosやDTS:X用のトップスピーカーやイネーブルドスピーカーがない場合でも、疑似的に高さ方法の音を再現する技術です。5.1chや7.1chでも、Dolby Atmosに近い体験を得られるという技術です。
対応ビデオフォーマット
最低でも4K 60pに対応していること
を確認してください。また、HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応しているかどうかも重要です。HDRには複数の規格があるので、最低HDR10、HLGに対応していれば問題ないでしょう。色域では4K放送のBT.2020に対応していればOK。
搭載パワーアンプ数
「搭載パワーアンプ数」は「アンプの数=使える最大スピーカー数」ですので、極めて重要です。
AVR-X2700Hの場合は7ですので、最大7本のスピーカーを駆動できることが分かります。
今後スピーカーを徐々に増やす計画であれば、それも見越した搭載パワーアンプ数のモデルを選択する必要があります。
Dolby AtmosやDTS:Xといったオブジェクトベースの最新音声を楽しむには、5.1.2chで7つ以上のスピーカー=アンプが必要です(サブウーファーにはアンプが内蔵されているので、AVアンプのアンプは使用しない)。トップスピーカー4つにした5.1.4ch環境を構築する場合は、9つ以上のアンプが必要です。
定格出力・実用最大出力
出力できる最大の電流値=音量ですが、この音量で再生することは絶対にありえませんので、見なくてOKです。
適合インピーダンス
「適合インピーダンス」は駆動できるスピーカーのインピーダンスを示します。AVR-X2700Hの場合は、4~16Ωの範囲のスピーカーが駆動できることになります。
スピーカーのインピーダンスは4Ω・6Ω・8Ωが主流です。YAMAHAのRX-V385のようなローエンドモデルでは「6Ω以上」としており、4Ωのスピーカーは使えません。4Ωのスピーカーを使用する場合は、AVアンプ側も4Ωから対応しているかどうかを確認する必要があります。
前回のスピーカー編で解説しましたが、必ず「AVアンプの適合インピーダンス≦スピーカーのインピーダンス」にする必要があります。
スピーカーのインピーダンスがアンプの適合インピーダンスより大きい場合は音が小さかったり、鳴らないだけで壊れるわけではありませんが、スピーカーのインピーダンスのほうが低くなってしまった場合、電流が流れ過ぎてしまい、スピーカーやアンプが壊れる危険性があります。
周波数特性
「周波数特性」は再生可能な帯域です。AVR-X2700Hの場合は、10Hz~100kHzです。
スピーカー側が20Hz~50kHzしか再生できないので、あまり気にする必要はありません。
S/N比
「S/N比」は最大出力レベルと無入力時のノイズレベルの差で、単位はdBです。数字が大きい方がノイズの影響が小さく、性能が優れていると言えます。
定義上、最大出力が大きな高級機ほど値が大きくなる傾向がありますので、あまり意識する必要はありません。
無線LAN・Bluetooth
無線LANに対応してれば、音楽配信サービスやApple Air Playなどが使用できます。
Bluetoothに対応していればスマホなどと無線で接続して音楽の再生が可能です。
HDMI端子
HDMI端子の数とスペックは重要
です。
まず、「入力端子の数=接続可能な再生機器の数」となります。レコーダー、ゲーム機など繋げるデバイスの数以上の入力端子があるか確認します。モデルによってはHDMI入力端子のうちが前面に付いている場合があります。その場合、背面にあるHDMI端子は表記マイナス1個になるので注意してください。
続いて出力端子ですが、テレビかプロジェクターのどちらかしか繋げない場合は1つで問題ありませんが、テレビとプロジェクターを併用するような場合は、出力端子が2つあるモデルを選択します。