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住友林業で建築中のkikorist新邸での「ホームシアター導入記」シリーズ。本シリーズではkikorist新邸という実例を通してホームシアターの導入過程を丁寧に紹介していきます。
本記事では前回のプロジェクターの選び方を受けて、実際のkikorist新邸のプロジェクター設置について解説します。
なお、前回の記事はこちらですので、あわせてご覧ください。
kikorist新邸のプロジェクター設置環境
kikorist新邸では以前の記事でもご紹介しましたが、2階と3階にホームシアターを導入する予定です。
メインリビング(2階) | セカンドリビング(3階) | |
投影機器 | テレビ | プロジェクター+スクリーン |
画面サイズ | 75インチ(93.4cm×166cm) | 120インチ(149.43cm×265.7cm) |
スピーカー | 7.1.2ch Dolby Atomos | 5.1ch Dolby Digital |
2階のメインリビングはテレビを使ったテレビシアター
、3階のセカンドリビングはプロジェクターとスクリーンを使ったスクリーンシアターです。
2階のテレビシアターについてはこちらに記事としてまとめています。
本記事では3階に導入するスクリーンシアターの環境をご紹介します。
まず3階の間取りは下記の通り。「セカンド」リビングだけあって、「リビング」と名付けているものの、7畳程度の小さなスペースです。
この小さなスペースにプロジェクターを設置する際に問題となるのが、プロジェクター(正確にはレンズ前面)とスクリーンの間の距離=投射距離です。
前回解説したように、スクリーンに大きな画面と投影用とした場合、プロジェクターとスクリーン間には一定の距離が必要です。具体的には、EPSON 4K対応液晶プロジェクター EH-TW7000の場合、100インチを投影するためには295cm、120インチを投影するためには最低でも354cmの投射距離が必要です。
スクリーンサイズ (16:9) |
およその大きさ (幅×高さ) |
およその投写距離 | およその オフセット値 |
|
---|---|---|---|---|
最短(Wide) | 最長(Tele) | Wide=Tele | ||
60型 | 133×75 | 175 | 285 | 7 |
80型 | 177×100 | 235 | 381 | 10 |
100型 | 221×125 | 295 | 477 | 12 |
120型 | 266×149 | 354 | 574 | 15 |
150型 | 332×187 | 444 | 718 | 19 |
200型 | 443×249 | 593 | 958 | 25 |
300型 | 664×374 | 891 | 1439 | 37 |
※オフセット値とは上下方向で発生する誤差のことです。例えば100インチ時のオフセット値12cnとは、最大で12cm下にずれる(天吊りの場合はプロジェクター本体を逆さまにするので上に12cm)可能性があるということです。
ところが、新邸のセカンドリビングは端から端の壁の内寸で258cmしか取れません(ウッドタイルの厚み除く)。
南北方向に取れば4m弱は取れますが、窓もありますし、ウッドタイルを貼る面を正面にするのは譲れないところです。
リビングの奥行は258cmですが、投射距離はプロジェクターのレンズ前面からスクリーンまでの距離であり、実際にはスクリーンは壁から少し前になりますし、プロジェクター本体の奥行や配線のためのスペースが必要となりますので、投射距離として計算できるのは220cm程度です。
この場合、EH-TW7000では80インチ弱の画面しか投影できません。
プロジェクターを使っているのに、メインリビングの75インチのテレビと変わらない…
と、いうわけでkikorist新邸では、前回解説した投射距離が短くても使える短焦点タイプのプロジェクターを利用します。
kikorist新邸で使用するプロジェクター
新邸で使用するのは、ViewSonicのX10-4Kです。
短焦点で床置きではなく天吊り対応、4K対応となるとほぼX10-4K一択となります。
X10-4Kは、212cmの投射距離で120インチのスクリーンが投影可能。EH-TW7000では80インチ弱の画面しか投影できなかったので、その差は歴然です。
ただし、X10-4Kのほうが優れているかというとそういうわけではなく、X10-4Kをはじめとした短焦点タイプのプロジェクターにはズーム機能がないので、設置位置(投射距離)を決めると画面サイズが自動的に決まってしまいます。もしくは、画面サイズが決まると投射距離が決まります。
例えば、投射距離が177cmの位置に設置した場合は、100インチでしか写せず、90インチや110インチに調整するということはできません。
短焦点タイプのプロジェクターは設置の自由度がかなり低いという点には十分な注意が必要で、プロジェクターを固定する場所、高さについても綿密に計算する必要があるという意味では、上級者向けと言えます。
ただし、今回のように投射距離が取れない場面では大活躍するのが短焦点タイプのプロジェクター。
その他、X10-4Kの特徴としては、下記があります。
- 4K HDR対応
- Harman Kardon製のスピーカーを内蔵
- スタイリッシュなデザイン
- 光源がLEDで長寿命
- 2000ANSIルーメン相当の明るさ
- AndroidベースのOS搭載、Youtubeなどの映像配信サイトが単独で利用可能
プロジェクターの設置位置のシミュレーション
ここまでの情報をまとめます。
3階のセカンドリビングで確保できる投射距離は220cm程度、そしてX10-4Kは212cmあれば120インチの投影が可能です。
230cm取れれば130インチも投影可能ですが、プロジェクター本体の奥行(26.1cm)や後ろの配線スペースの余裕なども考えると無理そうなので、120インチのスクリーンで検討してみることにします。
次に120インチのスクリーンが物理的に入るのかを検討します。今回は前回紹介したシアターハウスの120インチの電動スクリーン(ケースなし)で考えています。
120インチの画面の横幅(映写幅)は265.7cmですが、電源部などが必要となるため、製品の全幅は278.2cmとなります。
これに電源コンセントなどのスペース必要となります。
3階新邸の南北方向の幅は、ウッドタイル部分で240.5cm、通路部分も入れた壁から壁で396.5cmありますので、(スクリーンを降ろした際に通路は若干塞ぎますが)設置は問題なし。
天井は掘り込んでスクリーンを隠し、間接照明を追加しています。
続いて、天吊りする場所、および高さの検討です。
検討するために、1/100でシミュレーション図を作成しました。
今回、部屋の奥行が壁の内寸で258cmと決まっており、その中でスクリーンの位置及びプロジェクター本体の奥行(26.1cm)や後ろの配線スペースなども考えると、投射距離は最大で220cm程度となることが分かりました。
前述した通り、X10-4Kのスペック表から212cmの投射距離(図の(A))で120インチのスクリーンを投影することとしました。
120インチのスクリーンの場合、画面の高さ(図の(B))は149.43c≒149.5cmです。
今度は床からの高さ(図の(C))を決めます。見やすさと考慮すると、床からの高さは50cm程度は確保したいので、画面の高さ(149.5cm)と床からの高さ(50cm)からプロジェクターの設置高さ(図の(D))210cmが決まります(床からレンズの中心まで高さは149.5cm+50cm=199.5cmだが、レンズ中心からプロジェクターの天面までの距離10cmを追加)。
3階の天井高は220cmであることから、プロジェクターの天吊り金具の長さ(図の(E))は220cm-210cm=10cm程度あればいいことが分かります。
と、いうわけで天吊り金具の長さが20.7cmのこちらのモデルにしました。
計算よりも天吊り金具が5cmほど長いために、スクリーン投影位置も10cm下がります。上の図でも分かる通り、スクリーンが上にあると見上げるような形で疲れてしまうために、スクリーンが下がるほうがいいと判断して20.7cmの金具の高さでもOKとしました。
また、スクリーンからの距離4cmと投射距離(図の(A))212cmとプロジェクター本体の奥行(26.1cm)を合計し、部屋の奥行258cmから引くと、プロジェクターの背面のスペース(図の(F))は16cm程度であることが分かります。
16cmあれば電源ケーブルやHDMIケーブルの抜き差しも特に問題なく行えます。
これでプロジェクターの設置位置が大まかに決まりました。
あわせて、プロジェクター用の電源コンセントも天井、もしくは壁に設けることを忘れないように。
実際に設置する際は、スクリーンをまず固定し、そこから212cm離した場所を基準に、実際に画面をスクリーンに映しながらプロジェクターの固定位置を調整する予定です。
実際の取り付けについては、竣工後レポートをする予定です。
短焦点ではない通常のズームありのプロジェクターの場合
今回kikorist新邸ではズームのない短焦点プロジェクターのため、設置位置をガチガチに検討する必要がありましたが、前回紹介したkikorist夫婦オススメのEPSON 4K対応液晶プロジェクター EH-TW7000の場合、ズーム機能や、映像の上下位置を調整する機能がありますので、ここまで厳密に検討する必要はありません。
スクリーンサイズに対して、必要な投射距離がズーム範囲に入っていればOKです。天吊り金具の長さは、投影したいサイズによりますが、15cm~30cm程度であれば特に問題ないと思います。
やっぱりズームありのプロジェクターのほうが、必要投射距離は長くなるけど設置の自由度は高いし、モデルも沢山あるのが魅力。