当ブログ「kikorist日誌」は、kikorist夫婦が住友林業で注文住宅を建てる過程や、家づくりのこだわりポイントを発信・紹介するブログです。
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本記事では、キッチンのレイアウトの特徴と、レイアウトを考える際の注意点、そしてメリット/デメリットを解説します。
9/26まで実施中の読者アンケートで、打ち合わせ中の方が非常に多かったので、早速参考になる情報をとまとめてみました(アンケート未回答の方はこの期にぜひご協力を!)。

私たちの経験を踏まえてまとめていますので、間取り作成中や打ち合わせ中の方の参考になればと思います。
キッチンには様々なレイアウトが存在しますが、代表的なレイアウトを知識として身に着けておくと良いと思います。

まず選択肢を知ることが大事。
その上で、各キッチンには特徴がありますので、特徴、メリット/デメリットを踏まえた上で、ライフスタイルやスペース、予算にあったレイアウトを選ぶことが重要です。
あわせて考えておきたいキッチンを考える際のポイントについてもまとめています。
オープンキッチン/クローズキッチン/セミクローズキッチン
オープンキッチン
オープンキッチンはリビングダイニングとキッチンの間に壁などで遮られるものがなく、開放感があるキッチンです。

オープンキッチンの例(出典:LIXIL)
後ほど説明するペニンシュラやアイランドキッチンのフルフラットタイプのキッチンがオープンキッチンに該当します。
オープンキッチンのメリット
オープンキッチンのデメリット
クローズキッチン(独立型キッチン)
クローズキッチンは、キッチンが1つの部屋として独立しているキッチンです。

クローズキッチンの例(出典:株式会社大創)
クローズキッチンのメリット
クローズキッチンのデメリット
セミオープンキッチン(セミクローズキッチン)
対面型キッチンで、キッチンの上に吊戸棚を設け、造作壁でダイニングスペースと区切ったキッチンをセミオープンキッチン(セミクローズキッチン)と呼びます。

セミオープンキッチンの例(出典:LIXIL)
セミオープンキッチン(セミクローズキッチン)のメリット
セミオープンキッチン(セミクローズキッチン)のデメリット
壁付けI型キッチン
壁付けI型キッチンは呼ばれ、キッチン本体が壁に面しており、コンロとシンクが一直線にあるレイアウトです。

壁付けキッチンの例(出典:LIXIL)

住友林業の標準のキッチンが、この壁付けI型キッチンです。
壁付けキッチンには、上のような非対面型と対面型の2種類が存在します。
壁付けI型キッチン(非対面)のメリット
壁付けI型キッチン(非対面)のデメリット
上の写真のような誰しも思い浮かべるキッチンレイアウトのほか、対面型の壁付けキッチンも存在します。
対面型の壁付けキッチンってなんやねんって感じですが、下のようなキッチンも壁付けキッチンと呼びます。

造作対面の壁付けキッチン

とっても分かりにくい…。

対面にはなっていますが、キッチンの背面には造作壁があり、キッチン本体は上で紹介した壁付けI型キッチンと同じものを使っています。
キッチン本体は壁付けI型キッチンですが、レイアウトとしては「造作対面キッチン」などと呼ばれることが多いです。

造作対面キッチンを壁付けキッチンと呼ぶことを知らなかったので、いくつかのハウスメーカーとの打ち合わせで「??」となった場面がありました…。

対面がいいって言ってるのに壁付けかどうか聞いてくるのはおかしいんじゃないかと…笑
壁付けキッチンでも対面式があることをその後知りました笑
この造作対面キッチンで吊戸棚を付けるとセミオープンキッチンになります(ちなみにオープンキッチンは一般にフルフラットのペニンシュラキッチンやアイランドキッチンを指すため、吊戸棚がない場合は明確な名称がないらしい…)。

セミオープンキッチンの例(出典:LIXIL)
コンロの正面に造作壁を付ける場合と付けない場合の両方がありますが、造作壁にすることが多いようです。
ダイニング側は壁だけにすることもあれば、チェスターフィット/チェスターフィットライトなどの収納を取り付けることもあります。

チェスターフィット

住友林業のモデルハウスではよくチェスターフィット/チェスターフィットライトが採用されています。
壁付けキッチン自体は住友林業の標準で費用を抑えつつ、チェスターフィットと組み合わせることで展示場のような雰囲気にすることが可能です。

キッチンメーカーの面材を使って統一感を出すのも素敵だし、チェスターフィットで住友林業らしいキッチンにするのも素敵です。
壁付けI型キッチン(造作対面キッチン)のメリット
壁付けI型キッチン(造作対面キッチン)のデメリット
アイランドキッチン
アイランドキッチンは、システムキッチンを壁に付けず、独立した島のようにするレイアウトです。

アイランドキッチンの例(出典:LIXIL)
アイランドキッチンのメリット
アイランドキッチンのデメリット
ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、システムキッチンの側面の片側を壁につけたレイアウトで、対面キッチンの一種です。
壁と付けたキッチン本体が半島(=ペニンシュラ)に見えることから、ペニンシュラキッチンと呼ばれます。

ペニンシュラキッチンの例(出典:LIXIL)
ペニンシュラキッチンのメリット
アイランドキッチンのデメリット
II型キッチン(デュエ)
II型キッチンは、シンクとコンロを分けて平行に配置したものです。
キッチンハウスではII型キッチンのことを「デュエ」と呼んでいます。

II型キッチン(デュエ)の例(出典:LIXIL)
住友林業の提携仕様では、II型キッチンはキッチンハウスを選択した場合のみ選択ができます。

キッチンハウス以外のメーカーでもラインナップはしていますが、住友林業向けの仕様としては設定されていないので、導入したい場合は費用がかなり高額になります。
II型キッチン(デュエ)のメリット
II型キッチン(デュエ)のデメリット
キッチンハウスでII型キッチン(デュエ)を採用されたほとんどの方が水滴問題はデメリットに挙げられてられているので、デュエを採用する場合は床材をフロアタイルやタイルに変更することを強くオススメします。
L型キッチン
L型キッチンは、その名の通りシンク・コンロをL字型に配列したレイアウトです。

L型キッチンの例(出典:サンワカンパニー)
対面のほか、壁付けにすることもあります。

壁付けL型キッチンの例
LIXILなど一部のメーカーであれば住友林業でも選択可能です。
L型キッチンのメリット
L型キッチンのデメリット
ちなみに、現在私たちが住んでいるマンションがタカラスタンダードのL型キッチンですが、コーナー部分が本当に使いにくいです…。

特にコーナー部分の使い勝手は最悪です。上は奥の方がデッドスペースとなり、下は収納の使いづらさが尋常じゃない…。
U型キッチン
U型キッチンは、シンク・コンロ・ワークスペースをU字型に配置したレイアウトです。

U型キッチンの例(出典:サンワカンパニー)
U型キッチンは住友林業向けのキッチン仕様では選択できないので、選ぶ方はほとんどいないと思われます。
U型キッチンの場合は、電子レンジやオーブンなどもビルトインにすることが多くなります。
U型キッチンのメリット
U型キッチンのデメリット

使いにくいコーナーがL型キッチンの1か所から2か所に増えるのが辛すぎる…。
キッチンの間取りを考える際のポイント
各キッチンには特徴がありますので、特徴、メリット/デメリットを踏まえた上で、ライフスタイルやスペース、予算にあったレイアウトを選ぶことが重要です。
加えて、キッチンの間取りを考える際に抑えておきたいポイントを紹介します。
冷蔵庫のレイアウト
キッチンで必ず必要となるのが冷蔵庫。冷蔵庫はかなりの存在感で目立ちますし、デザインによっては生活感が丸出しになってしまうので、冷蔵庫がリビングから見えないようにするなどの工夫をしたいところです。
例えば、この写真の例のように、キッチンの隣に冷蔵庫スペースを作り、壁で囲んでしまえばダイニングやリビングから冷蔵庫が見えることはありません。

冷蔵庫を壁で囲んだ例(出典:LIXIL)
実際、住友林業の当初のプランでは冷蔵庫が壁で隠れるようになっていました。

kikorist新邸の当初案

今と全く違うレイアウトだけど…。
ほかにも、冷蔵庫を収納やパントリーに隠してしまうという方法もあります。

冷蔵庫をパントリーに収納した例(住友林業駒沢第四展示場)

駒沢第四展示場の間取り

冷蔵庫を収納の中に隠した例(駒沢第三展示場)
収納の中に入れてしまう場合は、収納扉を造作する費用がかかるほか、使う度に扉を開けなくてはいけなくなるので、使い勝手は落ちます。

見た目を取るか、使い勝手を取るか…。
最終的にkikorist新邸では、冷蔵庫をリビングやダイニングから視線的に見えにくい位置に配置し、横に壁を設けることで隠すような形にしました(上の例の駒沢第四展示場に近い形)。

キッチンのパース
どうしても冷蔵庫が見えてしまう場合は、冷蔵庫自体をスタイリッシュなデザインのものに買い替えるというのも1つの案です。
私たちは新邸のグレーズグレーのキッチンに合わせて、三菱電機の冷蔵庫(フロストグレインブラウン)に買い換えました。

三菱電機のWXDシリーズ

どうせ冷蔵庫を買い替えるなら、冷蔵庫の容量や性能もアップして、デザインもよくなって一石二鳥かも。
また、置きたい冷蔵庫の容量にあわせたスペースになっているかも要確認。700Lのモデルでは横幅が800mmを超える場合もあり、場合によっては入らないことも(住友林業の尺モジュールで左右に壁を作った場合の内寸は780mm)。
コンロの前/横の処理
コンロの前や横に造作壁を付けるかどうかも重要です。

コンロ前に造作壁を付けない例(出典:クリナップ)

コンロ前に造作壁を付けた例(出典:クリナップ)
壁がない場合は、部屋が広く見えて開放感は出ますが、煙やニオイが(たとえレンジフードを使用しても)部屋に広がりやすくなります。
壁がある場合はその逆となります。
住友林業標準では上の写真のようなハーフタイプのオイルガードですが、オプションで全面ガラスタイプのオイルガードに変更も可能です。

全面ガラスタイプのオイルガード(出典:LIXIL)
アイランドキッチンの場合はコンロ横に壁がないので、全面オイルガードにして前側はカバーしたとしても、横はカバーできません。そこで、アイランドキッチンでも、コンロ横に壁を作ることもあります。

アイランドキッチンで壁を付けた例
壁を作ることでアイランドキキッチン独特の開放感はやや減少しますが、コンロ横に油が飛ぶというのは避けられます。また、壁にリモコンニッチを作って、給湯器やインターホンなどの各種リモコンを納めることも可能です。
kikorist新邸では、開放感を重視したかったので、造作壁は付けない完全なオープンキッチンにして、オイルガードは標準のハーフタイプにしました。

全面ガラスのオイルガードは掃除も大変そうだったので…。

綺麗に保つ自信が…。
ダイニング側が収納で奥行があることもあり、前の床まで油が飛ばないという施主の方の感想も見かけたので、全面ガラスにはしませんでした。
このあたりは、個人の考え方次第の好みの部分です。
対面キッチンの場合に手元を隠すかどうか
造作壁収納やハイバックカウンターを使って手元を隠すかどうかも、個人によって意見が分かれる部分です。
フルフラットにしたほうが見た目はスッキリしますし、開放感は出ますが、キッチンは丸見えになります。

フルフラットなキッチン
一方、手元を隠すハイバックカウンターのキッチンにすればキッチンが多少散らかっていても隠すことができます。

手元を隠すハイバックカウンター(出典:トクラス)
ハイバックカウンターのキッチン側には調味料などをストックできる収納を取り付けることができるものもあります。

チェスターフィットの収納
私たちはスッキリ広く見せたいというのと、手元が隠れているほうが汚い印象を与える(隠している=汚いものがある)という考えから、フルフラットのキッチンにしました。

キッチンのパース
カップボード(食器棚)のレイアウト
カップボード(食器棚)をどれくらいのサイズにするか、というのもポイントです。
手持ちの食器が収納できることに加えて、今後家族が増えて、食器も増えることなども見越して決めておきたいところです。
住友林業仕様のLIXIL、トクラス、クリナップとチェスターフィットでは奥行45cmしか選択できませんが、メーカーラインナップでは60cm(65cm)もラインナップしています(キッチンハウスでは60cmが標準で選択可)。
45cmと60cm(65cm)では収納力が1.5倍~2倍程度違うので、必要に応じて60cm(65cm)も選択肢に入れたいところです。

65cmの収納力。赤いラインが45cm。
kikorist新邸は90cm×3+75cm×1の315cmのレイアウトで、奥行は65cm、高さ70cmの吊戸棚付きになっています(+冷蔵庫の上置きあり)。

新邸のカップボード
夫婦ともに料理が好きで調理器具や食器が多いので、余裕のあるサイズにしました。
細かい部分ですが、吊戸棚は各メーカー45cm(もしくは30cm)のみで、60cm(65cm)の奥行のタイプはありません(吊戸棚の奥行が深いと奥が取り出しにくくデッドスペースになるため)。
カップボードのフロアキャビネットを65cmにした場合、吊戸棚が45cmの奥行だと物が取り出しにくくなる場合があります。

吊戸棚の奥行に注意
そのため、kikorist邸では、面を揃えるという目的もあって、吊戸棚部分の壁をふかして吊戸棚が前面に来るようにしています。

吊戸棚の背面の壁をふかした
とはいえ、壁をふかしても上のほうには手が届かないので、天井を下げる(部屋の開放感は下がるので注意)、使用頻度の低いものは上に収納する(例えば、夏の間は鍋用のとんすいは上に収納、冬の間は素麺用の皿は上に収納など)、踏み台を使うなどの工夫は必要です。

収納するものが少ないのであれば吊戸棚をやめて、アクセント壁や飾り棚にするのもありです。

開放感が出るので吊戸棚をなしにするのも手
ゴミ箱のレイアウト
調理中にゴミは必ず出るので、ゴミ箱のレイアウトも考えておきたいです。
カップボードの下やシンクの下などにレイアウトすることが一般的です。また、カップボードに収納する場合は、隠すのかオープンにするのかといって点も考えておきましょう。

ゴミ箱のレイアウト
もちろん扉付きにすれば見た目はよくなりますが、費用はかかりますし使い勝手は悪くなります。

それぞれにメリット/デメリットがあるため、何を重視するかです。
個人的にはワゴン式だけはオススメできません。以前住んでいたマンションが引き出し式でしたが、レールがないので戻すときにイライラしますし、下手をすれば隣の扉に当たって傷を付けてしまいます。
隠すのであれば、開き戸か半オープンがオススメです。
kikorist新邸では、ゴミ箱の使用頻度と使い勝手を重視して、オープンにしました。

新邸のカップボード
ダイニングから丸見えにならないよう少し左に寄せつつ、シンクからの距離も考えて左から2番目にしました。
ダイニングテーブルのレイアウト
ダイニングテーブルの配置も考えておきたいところです。
従来はキッチンと話したところにダイニングテーブルを置くのが主流でしたが、最近はキッチンと横並びレイアウトも人気です。
特にキッチンハウスのデュエはシンク側のキッチンが短くなるので、横並びレイアウトにしやすくなっています。

ダイニングテーブルとキッチン横並び

そういえば、住友林業当初案も横並びでした。デュエではないけど。

kikorist新邸の当初案
キッチンの横にダイニングテーブルがあると、配膳や片付けがしやすいというメリットがあります。
一方、ダイニングやリビング側からキッチンまでの移動距離が長くなることもあるのがデメリットと言えます。

上の間取りの例がまさにそう…。
また、2人暮らしの場合には、キッチンのカウンター部分をテーブルにするという使い方もあります。

キッチンのカウンターを食事スペースにした例(出典:LIXIL)

ダイニングテーブルがいらないので省スペースだし、配膳も片付けもスムーズ。

ダイニングテーブルを買わなくていいから節約にもなります。
最終的なkikorist新邸では、ペニンシュラの向かい側にダイニングテーブルと言うオーソドックスな配置になりました。

新邸のダイニングテーブルの配置

慣れているのが一番ということで…笑
パントリーのレイアウト
最後にパントリーのレイアウトです。そもそもパントリーが必要か?というのも考えたいところです。

共働きなどで食料品をまとめ買いをするのであれば、あったほうが便利です。
コストコ好きの方とかは絶対にあったほうがいい。

とはいえ、これまでパントリーなしで生活しているのであれば、なくても問題ないかも?
また、「今の生活・収納で食品の収納量に不満を感じているか」を基準に比べて見るといいと思います。今不満に思っていないのであれば、パントリーを作っても使わない、ということもありえます。
最近では、ふるさと納税の返戻品などで冷凍庫が足りないというケースも増えているので、単体冷凍庫のスペースとしてパントリーを設けるのもありです。
kikorist新邸では一応ダイニング側にパントリー的な収納を設けていますが、カップボードが大容量なので、大抵の食品はカップボードに収納できる予定です。

ダイニング側の壁面収納
冷凍庫が必要になった場合は、猫スペースの周囲の壁には補強を入れているので、小さめであれば猫トイレの上に冷凍庫を置くこともできます(あとはリビング収納内にも設置しようと思えば可能。両方ともコンセント設置済み)。

2階の間取り
本記事のまとめ
本記事ではキッチンのレイアウトや間取りで考えておきたい点をまとめました。
- 間取り的な区分では、オープンキッチン、クローズキッチン、セミオープンキッチンの3タイプ
- キッチンの形状は、壁付け(非対面)、壁付け(造作対面)、アイランド、ペニンシュラ、L型、U型
- ライフスタイルや、予算、スペース、メリット/デメリットでどれが自分たちに向いているか判断
- キッチンで考えておきたいポイント
- 冷蔵庫のレイアウト
- コンロ前の壁の有無、オイルガードの形状
- 手元を隠すかどうか
- カップボードのレイアウト
- ゴミ箱のレイアウト
- ダイニングテーブルのレイアウト
- パントリーのレイアウト
参考になれば幸いです。
なお、住友林業のキッチンについてはこちらの記事をご覧ください。

既に完成してwer内覧会している方のブログは特に参考になるはず。

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