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このブログを読んでいただいている方はご存知の通り、私たちkikorist夫婦は住友林業で3階建てを建築中です。
商品としては、都市型3階建ての「Proudio(プラウディオ)」という商品になります。
TwitterやInstagramを見ていても、住友林業に限らず3階建ての施主の方はほとんどいません。
https://twitter.com/kikorist2020/status/1448310834711588864?s=20
アンケートでは7%…。
3階建ては圧倒的少数派。2階建てが多いのがよく分かりますね。
本記事では、そんな少数派である住友林業の3階建て施主であるkikorist夫婦が、3階建てを建てることを選んだ理由と設計のポイントをまとめてみます。
3階建てを選んだ理由
私たちが3階建てを選択した理由は、
同じ延べ床面積を実現するにあたっては最も費用対効果のいい建て方だった
ということに尽きます。
私たち夫婦はともに愛知県出身ですので、現在生活している東京には当然土地を持っておらず、家を建てるにあたっては土地から探す必要がありました。
そして、東京で土地を探すにあたって最も大きな問題が
東京の土地はとにかく高い
ということ。
こちらはSUUMOで調べた東京23区の坪単価です(2021年10月13日現在)。
いわゆる都心五区と言われる、千代田区・中央区・港区・渋谷区・文京区は別格ですが、それでも最低100万円以上、平均すると坪単価200万円は平気で超えてきます。
ちなみにkikorist夫婦の買った土地も坪単価200万円超えています…。
これだけ土地が高いと、地方のように100坪の土地を買って35坪の平屋を…なんてことはとてもではないですが不可能です。
坪200万円だとすると、土地だけで2億円…。
そもそもそんな大きな土地が東京で出てくることは、よほどの資産家が手放すときか、公共施設が絡んだ再開発でもない限り出てきません。
というわけで、東京では予算的にも出回る物件的にも広い土地を購入することができません。
私たちが購入できる広さの土地で、ある程度の広さの家を建てようとすれば、2階建てに収まらず自然に3階建てになる
というわけです。
3階建てを選んだ理由(補足)
もう少し補足しておきます。建蔽率・容積率を考えた時に、駅近エリアで3階建てを建てたほうがメリットが大きいと判断したのも、3階建てを選んだ理由です。
ここで、知らない方のために建蔽率と容積率を解説しておきます。
土地には行政によって建蔽率と容積率が定められています。
建蔽率とは簡単にいうと、「敷地面積(建物を建てる土地の面積)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のこと。
例えば、100平米の敷地面積に、50平米の建築面積の建物を建てた場合、その建蔽率は50%になります。
次に「容積率」について。建蔽率はいわゆる平面的な広さを制限するものですが、容積率は「敷地面積に対する3次元空間の割合」を算出し、制限するための基準になります。計算式は次のとおりです。
例えば、100平米の土地で1階50平米、2階25平米で建て場合は、延べ床面積は75平米となり、容積率は75%となります。
基本的には、駅前の繁華街・商店街に近いエリアは建蔽率・容積率が高めに設定される地区に指定されており、駅から離れた住宅街エリアは建蔽率・容積率は低めになる地区に指定されることが多いです。
駅から離れた方が当然土地の値段は下がりますが、建蔽率・容積率も下がりますので、建てられる建物の大きさはそれほど大きくはなりません。また、建物の高さにも高度制限が付き、2階建てまでしか建てられないこともあります。
場所にもよりますが、容積率200%の駅徒歩5分の土地と、容積率100%の駅徒歩15分の土地では、土地の値段は2倍も変わりません。しかし、容積率200%のエリアと同じ延床の建物を容積率100%のエリアで建てようとすれば、土地の広さは2倍必要です。
駅近くの土地の3階建てと同じ広さの建物を、駅から離れた土地で建てようとした場合、建蔽率・容積率が下がることでより広い土地が必要になるので、トータルの土地の値段はむしろ高くなることがあるのです。
したがって、土地は広くなくても、建蔽率・容積率が高い土地を購入して、そこに3階建てを建てたほうが土地の購入費用も安く済み、駅前も近いので便利ということになります。
静かなほうがいい、庭を広めに取りたいなどの理由であれば建蔽率・容積率が低いエリアを敢えて選ぶのもアリだと思います。
家づくりにおいても効率を追及
家の間取りにおいても、極力無駄な部分がないよう効率を追及しました
。
容積率で延床面積の上限が決まっている上、高度斜線規制の影響でそこからさらに延床面積は削られます(3階はフルで使えない)。
収納や動線も工夫し、極力無駄なスペースが出ないようにしました。具体的には、エントランスクロークやファミクロは通路と収納スペースを兼用させることで、ただの通路、もしくはただの収納としてのスペースで終わらないようにしました。
また、住友林業では建築面積が変わらなければ、それほど建築費が増えないという特徴がありますので、同じ建築面積でも出来るだけ延床面積が多いほうがコストパフォーマンスが上がります(坪単価が下がる)。
間取りの打ち合わせでも、空間の利用効率はかなり意識しました。
ビルトインガレージを選んだ理由も同じ
ちなみに、駐車スペースをビルトインガレージにしたのも同様の理由です。ビルトインガレージにはコストも当然かかりますが、それ以上に土地が高いので、青空駐車場のためだけに土地を使うことはもったいない。
駐車スペースは最低でも3m×5m=15平米=約5坪ほど必要なので、青空駐車場にしたとすると5坪で1,000万円かかる計算です。
絶対無理。
1,000万円あれば毎月3万円の駐車場を33年は借りられる計算…。
それなら、ビルトインガレージで建物の一部にしてしまったほうが安くなる(正確には土地の利用効率がいい)、というわけです。
濡れずに車から乗り降りできるし、雨風から車を守れるし一石二鳥。
東京では土地が高すぎるため、ビルトインガレージより青空駐車のほうが贅沢
なのです。
コスパを追及した結果がビルトインガレージというわけなのです。
3階建てにはデメリットもあり
土地も含めたコストパフォーマンスでは優秀な3階建てですが、デメリットも当然あります。
具体的には、以下の通り。
ちなみに気になる建築費用ですが、足場や外壁は増えますが、同じ延床の2階建てと比較すると建築面積(建坪)が減る=屋根や基礎の面積が減るので、ほぼ変わらないと言われました。
3階建てを設計する際のポイント
ここからは3階建てを設計する上でのポイントを解説していきます。
リビングの位置
基本的に3階建てを建築しようという段階で、それほど土地が広くない、あるいは隣家が近い(=1階の日当たりが悪い)ことを考えると、2階リビングか3階リビングになると思われます。
2階リビング(3階リビング)のメリット/デメリットは、こちらの記事で記載した通りです。
2階リビングと3階リビングの違いは、2階リビングのメリット/デメリットをより極端にしたのが3階リビングと言えます。
眺望を重視する場合、勾配天井にしたい場合は3階リビングとなりますが、個人的には2階リビングのほうがバランスはいいかな、と思います。
やはり将来的に1階だけで暮らすのは無理だとしても、1階・2階で完結するほうが楽なのは間違いないです。
とはいえ、究極的には好みの問題です。
トイレの位置
2階建てであれば各階にトイレが1つ、というのが普通ですが、3階建ての場合は各階にトイレということは少ないと思います。
各階にトイレを置くだけのスペースや費用が問題。
そうなると、トイレ設置のパターンとしては、1階+2階、2階+3階、1階+3階の3パターンが存在することになります。
1階に主寝室を置くのであれば、老後も考えれば1階にトイレがあったほうがいいのは間違いありません。また、出発時・帰宅時にトイレを使用することも多いので、その点でも1階にあったほうがいいと思います。
となると、2つ目のトイレを2階に置くか3階に置くか…。
これは正直、どちらでもいい気がします。長時間いることになるであろうリビングのある階にトイレを設けるのもアリですし、子供部屋などがある階にトイレを設けるのもアリです。
私たちの場合は、2階のリビングを広く取りたかったというのと、3階にある子供部屋、書斎やセカンドリビングの使い勝手を考えて3階にトイレを設置しました。
間取りと相談しながら決めていただければと思います。
1階居室の採光条件
これは施主が気にする話ではあまりないのですが、居室には採光のために床面積の7分の1以上の有効開口面積が必要であるとされています。
有効開口面積は計算式によって算出されますが、単純に床面積に7分の1を乗じれば良いというわけではなく、用途地域ごとに定められた採光補正係数と、軒高から開口部中心までの垂直距離、軒先から敷地境界までの水平距離によって決まる採光関係比率を乗じて算出する必要があります。
3階建て住宅の場合は1階建てや2階建て住宅の場合よりも、1階部分の居室に必要となる有効開口面積が大きくなります。
そのため、きちんと計算して窓を取らないと1階の部屋が「居室」ではなく「サービスルーム」扱いになってしまうことがあります。
あまり考えたくはありませんが、建てた家の売却が必要になったときに3LDKと表記される場2LDK+S(サービスルーム)と表記されるかで検索数や売却価格が変わってしまう場合もありますし、サービスルームにはエアコン取付不可と行政から指導や確認が入ることもあるようです。
サービスルーム扱いにすることであり余るメリットが享受できれば話は別ですが、極力「居室は居室」となるよう設計してもらったほうがいいと思います。
北側斜線/道路斜線/高度斜線などの斜線規制対応
詳細は割愛しますが、隣地や道路の日照を確保するために高度斜線/北側斜線といった規制があります。
斜線規制に引っかかる場合は、3階部分の一部を母屋下がり(=部屋の一部の天井に勾配を付けて下げること)になる場合もあります。
せっかく広い延床面積を確保しても、母屋下がりになると開放感がなくなり、逆に狭苦しい印象を与えることになるので設計時に注意が必要です。
地盤改良の予算
2階建て用の広い土地よりも3階建て用の狭い土地のほうが安く済む(ことがある)、と記載しましたが、注意しなければいけないのが地盤改良です。
2階建てよりも3階建てのほうが、当然建物の重量も増えるので、地盤改良が必要となる可能性も増加します。
もちろん不要な場合もありますが、場合によっては100万円~200万円の増額となるため、地盤改良費が見積・予算に含まれているか必ず確認しておくようにしましょう。
3階に非常進入口の確保
3階建ての場合は、火事等の際に消防隊が救助や消火活動のために、道路から建物の中に進入するための窓の規定があります。
具体的には、3階の道路に面する側に「幅75cm以上、高さ120cm以上」の窓が必要とされています。必ずしもバルコニーがある必要はないのですが、基本的には掃き出し窓+バルコニーが必須となっているようで、kikorist新邸でも3階道路側にバルコニーがあります。
最近は室内干しが人気で、高額でメンテナンス費用もかかるバルコニーはないほうがいい、という方も増えていますが(私たちも基本的にはその考え方に賛成です)、3階建ての場合は無条件にバルコニーが必須となる点には注意したいところです。
本記事のまとめ
本記事ではkikorist夫婦が3階建てを選んだ理由と、3階建て設計時の注意点をまとめました。
3階建ての魅力は、狭い土地でも広い延床面積の建物を建てられること、また駅から近い土地になることが多い(3階建てが建てられる容積率の大きい土地は駅前が多い)ことなど、費用面でまず大きなメリットがあります。
私たちが3階建てを選んだ最大の理由です。
加えて、3階建てならではの眺望も魅力です。
私たちの土地のように3階建てと2階建てエリアの境目の土地の場合、2階建てエリア方向には視線が大きく抜けるため、眺望と開放感を得ることができます。
一方で3階建てのデメリットもありまӕ