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住友林業で建築中のkikorist新邸での「ホームシアター導入記」シリーズ。「kikorist新邸という実例を通して、どのように注文住宅にホームシアターを構築していくのか」という過程を丁寧に紹介していきます。
![](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/HT_0_0-1.png)
前回の記事はこちら。
本記事では、ホームシアター導入の前提となる、スピーカー選びの前提知識について解説します。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_hirameki-1.png)
ちょっと回りくどいようですが、前提知識をしっかり身に付けることで、ホームシアターの機器選びや導入の理解が圧倒的にしやすくなります。
スピーカーとアンプの関係
本記事で解説するスピーカーと、次回解説するアンプについて整理しておきます。
スピーカーについては多くの方が想像できると思うのですが、アンプについては「知らない」「分からない」という方も多いのではないでしょうか。
スピーカー
オーディオ機器では、音は電気信号として各機材を通過します。そして、届けられた電気信号を音(振動)として出力する機器が「スピーカー」です。
スピーカーは空気を振動させます。振動した空気が音波として人の耳に伝わります。空気が振動し、波のようになって鼓膜に届くのです。
![周波数が高い=高温、周波数が低い=低音](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/03.png)
周波数が高い=高温、周波数が低い=低音
この1秒間に揺れる空気の波の数を「周波数」と言い、1秒間に振動する回数をHz(ヘルツ)で表します。
波の間隔が長い=振動の数が少ない=周波数が低いと低音として聞こえ、波の間隔が短い=振動の数が多い=周波数が高いと高音として聞こえます。
※ちなみに振幅(=振動の振れ幅)の大きさが音の大きさです。
空気の振動の仕方が異なると、人には違う音として聞こえます。それが何種類も重なると、さまざまな音が同時に聞こえるように感じます。
ここで大事なことは、スピーカーを鳴らす(駆動という)ためには大きな電力が必要で、プレーヤー(想像しやすいようにスマホでもいいですが)からの出力される電気信号では全く足りません。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_hirameki-1.png)
イヤホンやヘッドフォンくらいの小さな機器であれば、そのままプレーヤー(スマホ)に繋いでも音を鳴らすことができますが、スピーカーの振動版はイヤホンやヘッドフォンとは比べ物にならないくらい大きいので、そのままでは鳴らせません。
そこで必要なのが、プレーヤーから出力された電気信号を増幅する「アンプ」という機器です。
アンプ
「アンプ」は、電気信号を増幅させるための機器
です。
プレーヤーやスマホなどの電子機器から出力される電気信号は、もともと微弱な信号でしかありません。イヤホンやヘッドフォンであれば直接繋いでも音が出ますが、スピーカーのような大きな機器に直接繋いだ場合は薄く小さな音にしかなりません。
そのため、プレーヤーやスマホといった再生機器とスピーカーの間に、アンプを挟むことによってその信号を増幅し、スピーカーを駆動させるために十分な電気信号に変換します。
![プレーヤーの電気信号をアンプでスピーカー駆動に必要な電気信号に増幅](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/04.png)
プレーヤーの電気信号をアンプでスピーカー駆動に必要な電気信号に増幅
ホームシアターでは「AVアンプ」と呼ばれるアンプを使用します。ホームシアターでは多数のスピーカーを使用することが一般的なので、AVアンプには複数のアンプを内蔵しているのが特徴です。内蔵されているアンプの数=駆動できるスピーカーなので、AVアンプによって設置できるスピーカーの最大数が決まります。
![内蔵するアンプの数=駆動できるスピーカー数](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/05.png)
内蔵するアンプの数=駆動できるスピーカー数
アクティブスピーカーとパッシブスピーカー
スピーカーとアンプは本来別々の機器ですが、セットで使うことが基本なので、「スピーカーにアンプを内蔵しちゃえば?」という考え方も当然出てきます。
アンプを内蔵したスピーカーを「アクティブスピーカー」と言います。それに対して、アンプを内蔵していないスピーカーを「パッシブスピーカー」と言います。
ホームシアター向けでは、基本的にパッシブスピーカーしか使いません。したがって、「ホームシアター用のスピーカー=パッシブスピーカー」と理解しておいて問題ありません。
ホームシアターでは多数のスピーカーを使用しますので、その1つ1つのスピーカーにアンプを内蔵していたらコストが割高になってしまします。また、一体になっているので、アンプだけグレードアップするというようなことができません。そのため、ホームシアターでは複数のアンプを内蔵した「AVアンプ」という機器を用いて、AVアンプにスピーカーを繋ぐのが普通です。
![ウーファーを除くスピーカーはパッシブタイプ](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/06.png)
ウーファーを除くスピーカーはパッシブタイプ
唯一の例外はサブウーファーです。サブウーファーを駆動するためには大電力が必要なので、サブウーファーには専用のアンプを内蔵しており、サブウーファー用の電源が必要です。したがって、電源を内蔵しているサブウーファーなので「アクティブサブウーファー」となりますが、ホーム用途ではパッシブサブウーファーは超マイナーなのでわざわざ「アクティブ」サブウーファーと呼ぶことはほとんどありません。
※サブウーファーにもアンプを内蔵しない「パッシブサブウーファー」というものがありますが、店舗や商業施設用設備用が多いので、ホームシアター用のサブウーファー=アクティブサブウーファーと思っていただいて問題ありません。
なお、本記事の最後で紹介している一体型のサウンドバーはアンプを内蔵をしていますので、アクティブスピーカーの一種と言えます(「アクティブスピーカー」というよりは「サウンドバー」というジャンルになっていますが…)。
スピーカーとAVアンプのモデルチェンジ
スピーカーのモデルチェンジサイクルは非常に長い
です。10年以上前に発表・発売されたスピーカーが現在も最新モデル、ということも普通にあります。スピーカーユニットに使う素材や構造の見直しにおいて技術の発展はあるものの、スピーカー自体はある意味完成された規格です。プラスマイナスの端子が1つずつ合計2端子で1ペアあり(後述するバイアンプでは4端子2ペア)、そこにスピーカーケーブルを繋げば音が出るという仕組みはここ数十年も変わらず、今後も変わらないと思われます。ですので、一度買ったスピーカーは長い間使うことが可能です。
それに対して、電子機器の塊であるAVアンプは、多いメーカーでは毎年、長くても2~3年に1回はモデルチェンジが行われます。これは、再生するコンテンツ、フォーマット、接続端子に次々新しいものが登場しているためです。
Blu-rayディスクが登場したあとも、2Kのフルハイビジョンから4K HDRというフォーマットが増え、最新では8Kが登場しています。音声も前回解説したチャンネルベースのDolby True HDに加えてオブジェクトベースのDolby Atmosが追加されました。また、接続端子であるHDMIもコンテンツのリッチ化に伴い、2006年に規格化されたHDMI 1.3aから2017年の2.1まで数年単位で機能が追加され、流せるデータ量も増加しています。
こうした、コンテンツや最新のフォーマット、規格に対応するため、短いサイクルでモデルチェンジしているのがAVアンプです。とはいえ、現時点での最新フォーマットに対応していれば最低でも5年程度は問題なく使うことが可能です。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_hirameki-1.png)
モデルチェンジサイクルの長いスピーカーにはアンプを内蔵せず、AVアンプを使う方がスピーカーが長く使い続けられるので、スピーカーにお金を投資することができます。
スピーカーの仕様(スペック)の見方
まずはスピーカーを選定するにあたって、スピーカーの仕様(スペック)の見方を解説します。
例として、YAMAHAのNS-F330を取り上げます。
仕様 | |
型式 | 2ウェイバスレフ型(非防磁) |
スピーカーユニット | 13cmコーン型ウーファー×2、3cmアルミドーム型ツィーター |
再生周波数帯域 | 40Hz~45kHz(-10dB)~100kHz(-30dB) |
インピーダンス | 6Ω |
許容入力 | 50W |
最大入力 | 200W |
出力音圧レベル | 89dB |
クロスオーバー周波数 | 3.2kHz |
入力端子 | バナナプラグ対応ネジ式(バイワイヤリング可) |
外形寸法 | 202W×950H×299Dmm |
質量 | 18.2kg |
付属品 | サランネット、取扱説明書 |
型式/スピーカーユニット
表の「型式」には、「2ウェイバスレフ型(非防磁)」、スピーカーユニットには「13cmコーン型ウーファー×2」「3cmアルミドーム型ツィーター」とあります。
![kikorist妻](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/A_ase2.png)
最初から何言っているか全然分からないわ…。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_hirameki-1.png)
一つずつ解説していくのでご安心を。
1本のスピーカーの中には、実は複数のスピーカーユニットが入っているものがあります。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_smile2.png)
1つの箱の中に複数のスピーカーユニットが内蔵されているのです。
NS-F330では、3つ内蔵していますね。
![NS-F330のスピーカーユニット部](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/11-3.jpg)
NS-F330のスピーカーユニット部
![kikorist妻](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/A_hirameki.png)
これは見た目で分かるわね。
でも二番目・三番目のユニットは同じだけど、一番上とは違うみたい。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_sumashi.png)
その通り。
一番上と二番目・三番目はスピーカーユニットが違います。
構造の違うスピーカーユニットを複数個使うのは、1つのスピーカーユニットだけで低音~中音~高音の全てを対応させようとすると、音の再生に無理が出るためです。そこで、1つのスピーカーユニットで全音域を担当するのではなく、中低音を担当するスピーカーユニット、高音だけを担当するユニットというように、再生する周波数帯域をユニットごとに分け、周波数帯域にあわせた構造のスピーカーユニットを複数個内蔵したほうが、無理なく最適な音を出せるのです。
![2ウェイ・3ウェイのユニットにすることで音質に無理がなくなる](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2021/05/07.png)
2ウェイ・3ウェイのユニットにすることで音質に無理がなくなる
低音・中音・高音は下記のような感じです。
周波数 | 代表的な音 | |
低音 | ~100Hz |
|
中音 | 100Hz~1kHz |
|
高音 | 1kHz~ |
|
低音~高音まで1つのスピーカーユニットだけで出力させるスピーカーをフルレンジスピーカーと呼びます。
そして、低音~中音をウーファーで、高音をツィーターで出力させるスピーカーを2ウェイスピーカーと呼びます。
さらに、低音・中音・高音でスピーカーユニットを分ける場合もあります。その場合は3ウェイスピーカーと呼びます(その場合、中音にはスコーカーというスピーカーユニットが使われることが多い)。
NS-F330では、低音~中音を鳴らす直径13cmのコーン型ウーファーが2つ、高音を鳴らす3cmのアルミドーム型ツィーターが1つ搭載されているので、2ウェイ3ユニットのスピーカーということになります。
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_hirameki-1.png)
3ユニットなのに3ウェイにしなかったのは、メーカーとして低音・中音でユニットを分けるよりは、低音~中音のウーファーを2つにしたほうが音のバランスがいいと判断したからでしょうね。
こうした設計思想が各メーカーの技術の見せどころです。
「コーン型」や「ドーム型」というのは、スピーカーユニットの形状のことですが、ここまでの知識は必要ないので解説は省略(私も詳しくないですし…)。詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
再生周波数帯域
「再生周波数帯域」は、スピーカー1本で具体的にどの周波数まで再生できるかを示しています。
YAMAHAの場合、40Hz~45kHz(-10dB)~100kHz(-30dB)と記載がありますが、これはちょっと特殊な記載方法です。その他のメーカーは40Hz~45kHzだけを載せています。
平均的な音量から10db下がる=再生不可と定義した場合に40Hz~45kHz、平均的な音量から30db下がる=再生不可と定義した場合に40Hz~100kHzということですが、10db下がるだけでも相当音量としては下がっているので(3db下がると音量は1/2)、YAMAHAの場合は-10dbだけを見ればOKです。
一般に下の数字が40Hzを切っていれば低音からよく出る、上が30KHzより高ければ高音まで出る、と言えます。
もちろん、再生周波数帯域は広いほうがいいのですが、それ以外にもレスポンス(音の立ち上がり=出始めが明確か甘いか)、分解能力(1つ1つの音がはっきりしているか)など音質を決める要素は多数ありますので、参考程度でいいのではないかと思います。特に海外メーカーは、スペック上の高音域の周波数は重視していない傾向があります。
人間が聞き取れる音(可聴周波数)は低い音で20Hz、高い音で20kHz(高い音は個人差があり年齢に比例して衰える)と言われています。そのため、20kHz以上はあまり意味がないという言う人もいます。
![kikorist妻](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/A_kirari3.png)
スピーカーはそれぞれの好みがあるので、スペックだけでなく聞いていいなと思ったものが1番!
![kikorist夫](https://kikorist.com/wp-content/uploads/2023/10/D_sumashi.png)
必ずしも高額・高級なスピーカー=いいスピーカーというわけではありません。個人の感覚が大事。
参考までに、CD以上の音質となるハイレゾは40kHz以上が再生可能かどうかを基準にしていますので、ハイレゾ対応かどうかを重要視する場合は、高音域の周波数が40kHz以上をカバーしているか気にするといいのではないかと思います。
インピーダンス
「インピーダンス」は、スピーカーに電流の流れる抵抗値を示したもの。単位はΩ(オーム)です。
インピーダンスが低いほど電流が流れやすいスピーカー(低電流でも駆動できるスピーカー)、逆にインピーダンスが高いほど電流が流れにくいスピーカー(駆動に低電流が必要なスピーカー)と言えます。
一般的に販売されているスピーカーは、4Ω、6Ω、8Ωが多