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住友林業の注文住宅を建てて約1年が経過しました。
冬も夏も経験して住み心地もだいたい分かってきました。
もう1年か…。あっという間。
住宅ローンも無事35分の1を払うことができました。
そこで、本記事では住友林業で建てた注文住宅のリアルな断熱性能と実際1年住んでみた感想、住友林業の断熱性能・気密性能について解説します。
断熱性能・断熱等級とは?
断熱性能とは?
「断熱性能」とは、建物の外皮(外に接する部分)である外壁、屋根、床、開口部などからの熱の出入りのしやすさを表したもの
です。
断熱性能が高いということは、室内と外気の熱の出入りがしにくくなる、外気の温度が室内に伝わりにくくなる、ということです。
夏はエアコンの設定温度が高めでも涼しくいられますし、同様に冬は設定温度を低めにしていても暖かく過ごせるので、省エネに繋がります。
断熱性能は、「UA値(外皮平均熱貫流率)」によって表します
。UA値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高い住宅であると言えます。
ちなみに、私たちが建てた住友林業の家の実際のUA値は0.48でした。
UA値は性能評価書で確認ができます。
こちらが実際の性能評価書の該当ページ。
断熱性能等級の欄に、等級4、外皮平均熱還流率(UA値)は0.48W/(㎡・K)と記載があります。
kikorist邸の竣工時(2021年11月)時点では、断熱等級4までしかなかったため、断熱等級4の記載です(等級5以上は2022年4月以降に追加)。
断熱等級とは?
「UA値が0.48」と数値だけ見せられても、それが果たして性能がいいのか悪いのか、一般の人からすると判断しづらいですよね。
そこで、どの程度冷暖房費が削減できる性能なのかを表したのが「断熱等級」です。
「断熱等級が高い=冷暖房費の削減度合いが大きい=性能が高い」ということです。
断熱等級は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に規定された省エネ性能を表す等級で、最低の等級1から最高の等級7まで存在します。
等級7 | 2022年10月施行。冷暖房の一次エネルギー消費量を概ね40%削減可能なレベル。 |
---|---|
等級6 | 2022年10月施行。冷暖房の一次エネルギー消費量を概ね30%削減可能なレベル。 |
等級5 | 2022年4月施行。「ZEH基準」相当。冷暖房の一次エネルギー消費量を概ね20%削減可能なレベル。 |
等級4 | 1999年制定。「次世代省エネ基準」。2022年3月以前の最高等級。2025年義務化予定。 |
等級3 | 1992年制定。通称「新省エネ基準」。一定レベルの省エネ性能を確保。 |
等級2 | 1980年制定。40年前の基準なので省エネのレベルは低い。 |
等級1 | 上記以外 |
断熱性能等級は、「UA値(外皮平均熱貫流率)」で定められていますが、地域によってその等級に求められるUA値が異なります。
例えば、冷暖房のエネルギー消費を30%抑えるために必要な性能は、東京と北海道では全く違いますよね。
断熱性能等級では、全国を8つの地域に分け、地域ごとにUA値に応じて等級を定めています。
1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 | |
等級2 | 0.72 | 0.72 | 1.21 | 1.47 | 1.67 | 1.67 | 2.35 | – |
等級3 | 0.54 | 0.54 | 1.04 | 1.25 | 1.54 | 1.54 | 1.81 | – |
等級4 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
等級5 | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | – |
等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | – |
等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | – |
※8地域(沖縄)は暖房期のない地域として、UA値の基準は設定されていません。
私たちの住んでいる東京は6地域にあたるため、UA値が0.48のkikorist邸は断熱等級5となることが分かります。
もう少しで等級6だった…。
住宅の中で、熱が最も逃げるのは窓や玄関ドアといった開口部。壁や屋根には断熱材が105mm以上の厚み(天井は210mm)で施工されているのに対して、開口部は断熱材を入れることができません。
熱損失の6割~7割は開口部によるものです。
住宅の断熱性能を上げるのであれば、不要な窓は極力なくした上で、必要な窓には断熱性能が高いサッシ・ガラスを採用したり、引き違いではなく辷り出し(すべりだし)窓にすることが有効です。
窓の選び方については別途解説予定です。
kikorist邸ではコスパを重視して、サーモスX(Low-E複層ガラス)にしたのがリビングとセカンドリビングの吐き出し窓・引き違い窓だけだったので、家の全ての窓をサーモスXにすれば等級6は達成できたと思います。
ただし、小さい窓も全てサーモスXにする費用対効果があったのかは疑問…。
なお、防火地域・準防火地域の場合、掃き出し窓など大きな窓で樹脂サッシが選べなかったり(FIXやサイズの小さい窓であれば選択可)、アルミ樹脂複合サッシのサーモスXでもトリプルガラスが選べない(複層ガラスのみ)など断熱性能の面ではかなり不利になります。
ほかにも窓の中に網が入ったり…。
窓自体も防火窓にするだけで100万円~150万円アップします…。
記事の後半では、実際に断熱等級5の家に暮らしてみた感想を紹介しします。
住友林業の断熱性能は?
によると、住友林業の標準的な仕様の断熱性能は、断熱等級5~等級6です(もちろん間取りや採用する窓のサイズや形状にもよって変わりますが…)。
住友林業では「360゜TRIPLE(トリプル)断熱」という断熱仕様となっています。
名前は付いていますが、使用している断熱材や窓などは、現在の注文住宅ではごく一般的な仕様です。
地域によって窓や断熱材の素材や厚みが異なります。
断熱材は高性能グラスウール24Kが基本で、1~2地域が高性能グラスウール28Kになります。
また、省エネ3地域~7地域はアルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラスが標準ですが、北海道では樹脂サッシ+トリプルガラスが標準。
北海道以外でも、樹脂サッシは選択可能です。
支店によっては標準で樹脂サッシを選択できるようになっているとのこと。
住友林業は標準で断熱等級5~6をクリアしているので、現時点では必要な断熱性能を備えていると思います
。
普通の断熱材、そして厚さであっても等級5~6が取れるということですね。
一方で、2025年以降には新しく建てる住宅においては断熱等級4が義務化される予定です。さらに、2030年以降には断熱等級5が義務化される可能性もあり、そうなると断熱等級4以下では既存不適格(建設時に適法だったが、以降の法改正などで法不適合になった状態)になってしまいます。
既存不適格では建物の資産価値も落ちてしまう可能性もあり、最低でも断熱等級5は必要と考えます。
今後も省エネ対策で住宅の断熱性能が求められていく傾向に変わりはないため、今後住友林業でも断熱材の変更が行われる可能性はあります(住友林業では、2020年9月に断熱性能を一部変更しています)。
住友林業の現在の断熱材は高性能グラスウール24K(U値0.035)ですが、アクアフォームNEO(U値0.026)のようなより熱伝導率の低い断熱材も存在します。
東京などの6地域でも断熱等級7をクリアするためには、樹脂サッシ以外に付加断熱(壁内の断熱だけでなくその外側にも断熱材を追加すること)の採用も必須になってきます
(さらに外周部の壁が厚くなる分室内が狭くなるので、狭小住宅に向いていません)。
営業担当に確認したところ、東京都内のような地域であっても、北海道(省エネ1地域や2地域)と同じ断熱仕様をオプションで選択することが可能とのことです。
北海道仕様のUa値はカタログ値では0.36と、省エネ6地域でも断熱等級7(Ua値0.26)には届きませんが、断熱性は確実に向上します。
北海道断熱仕様の費用感については現在確認していますので、分かり次第記事にしたいと思います。
住友林業の気密性能は?
気密性とは、住宅の隙間の少なさ
です。
いくら外皮の断熱性が高くとも、隙間だらけの家では意味がありません(以前住んでいたマンションでは掃き出し窓から冬は隙間風が…)。
気密性の高い家は、室内と室外の空気が分断され、室内の空気が外に漏れにくく、室外の空気が室内に入り込みにくくなります。
また、気密性を高めることで換気を効率的に行うことが可能です(隙間が多いと本来計画していた換気性能が発揮できない)。
住宅の気密性能は「C値」という数値で表します。
UA値は建物に用いている断熱材や窓のスペックなどから計算で求めることができますが、C値は実際の家を測定してみないと分かりません。
同じ断熱材や建材・工法であっても、施工の精度や気密処理(隙間を気密テープなどで塞ぐ)などによって、C値は変わるため、1棟1棟測定しないと分からないのです。
住友林業は標準では気密測定を実施しておらず、また気密性を表すC値も保証・公表していませんが、施主の希望により気密測定をすること自体は可能です(7~10万円前後)。
気密測定をした住友林業の施主の方の気密測定の結果(C値)は、平均すると0.6~1前後。
一般的にC値1以下が高気密とされるので、住友林業の住宅は気密性能も必要十分と言えると思います(C値0.5以下の工務店もありますし、上を見ればきりがありませんが…)。
私たちは気密測定はしませんでした。
軽視していたわけではありませんが、あえて測定するまではこだわっていなかったというのが正直なところです。
住友林業の注文住宅に実際1年間住んでみた感想は?
住友林業の注文住宅に実際に住んでから1年が経過しました。
UA値0.48、断熱等級5の住宅に住んでみた感想は、「断熱性能自体は満足」していますが、「敷地状況や間取りが原因による温熱環境は不満」というもの。
断熱性能は満足
6地域の東京で、UA値0.48は断熱等級5に相当。断熱等級6寄りの数値です。
1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 | |
等級2 | 0.72 | 0.72 | 1.21 | 1.47 | 1.67 | 1.67 | 2.35 | – |
等級3 | 0.54 | 0.54 | 1.04 | 1.25 | 1.54 | 1.54 | 1.81 | – |
等級4 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
等級5 | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | – |
等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | – |
等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | – |
実際に1年暮らしてみて、一度エアコンで暖めたり冷やした部屋の空気の温度変化はかなり少ない印象です。
夜LDKでエアコンを使っていると、朝起きてもまだ暖かったり、最低気温がマイナスになるような日でなければ、日中LDKに日が当たっていれば無暖房でも大丈夫(さすがに夜は床暖房を使いますが…)。
だからこそエアコンを常時稼働させるか、間欠運転(ON/OFFを切り替える運転)にするかけっこう迷います…。
間欠運転よりも低負荷の常時運転のほうが結果的に電気代安くなるって言うけど…。
私の家でそうなので、6地域で断熱等級6の住友林業の家であれば断熱性能に不満を覚えるということはあまりないと思います。
ただし、我が家の場合、エアコンや床暖房といった空調は必要です。冷房をしなくても夏は涼しいとか、冬は暖かいということはありません(これは下で説明する日射コントロールが不完全であることも大きく影響しています)。
そもそも、断熱性能とは熱損失の少なさであり、外気温の影響なく室温を長時間維持できるということ。「断熱性能が高い=暖かい/涼しい」というわけではないという点には注意が必要で