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本日は提案依頼書の続編です。
ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく『穴』である
突然ですが、マーケティングの有名な格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」というものがあります。
kikorist夫が好きな言葉の一つで、普段の仕事をしているときに最も重視していることです。
ホームセンターにドリルを買いに来た客が店員に尋ねます。「ドリルはありますか?」
店員は在庫を確認して答えました。「ドリルは品切れ中です」
答えを聞いた客は帰ってしまいました。
客が欲しかったのは、「ドリル」を使って開ける「穴」であり、ドリルは手段にすぎません。穴が開くのであれば、キリでも糸ノコでも、もっと言えば穴の開いた既製品の板でもよかったのかもしれません。
店員が客の求めているものが何かを正しく把握することができていれば、客はその店で買い物をしたかもしれません。
また、店員が客に対して「どのようなスペックのドリルが必要ですか?」と尋ねるのも不適切です。
なぜならこの質問は、「客が自分の解決すべき問題とその解決方法を正確に理解している」という前提に立っているからです。多くの場合はそのようなことはありえません。
この格言の意味するところは、「顧客の解決すべき課題を正しく把握しなければ適切な解決策は提案できない」ということです。
これは対顧客だけではありません。経営や企画でも同じです。売上や認知度向上という目的に対して、手段は無数にあります。手段が目的化していないか、常によく考える必要があります。
家づくりにおけるドリルと穴
家づくりで考えてみると、「ドリル」は「住宅」、「穴」は「暮らし」に置き換えることが出来ると思います。
家づくりでは、施主は必要な部屋や広さなど、住宅のスペックについて指定しがちです。
でも、施主が欲しいものは「住宅」でしょうか。
違うはずです。施主が本当に欲しいものは、住宅に住むことで得られる「暮らし」のはずです。
もしくは、カッコイイ家、人と違った家を持つ「所有感」「承認欲求」かもしれませんが、この場合でも、住宅はあくまで手段です。
家づくりの問題は、ドリルの例と同じく「情報の非対称性」だと思っています。
施主がどんな「暮らし」を求めているか、どのような空間・テイストが好きなのか、ハウスメーカー側は分かりません。
一方で、ハウスメーカーは「住宅」に関する情報やノウハウはたくさん持っています。
「こんな作りにしたらこんな暮らしになる」「こんな素材ならこんな感覚を得らえる」。
施主はハウスメーカーの知らないことを伝えて、ハウスメーカーは施主の知らないことを伝える、この関係が大事だと思います。
施主の考える住宅はあくまで素人の範囲を出ないと認識した上で、ハウスメーカーと打ち合わせたほうがいいと思います。(考えるのはいいことだと思います)。
ベースがあればともかく、施主がゼロベースで作ったものは「ぼくの かんがえた さいきょうの まどり」です。やはりハウスメーカーには及びません。
※営業担当が優秀な場合に限ります…
施主が色々な間取りや建材、スペック、デザインについて勉強することはいいことだと思います。
私も先輩施主ブログや本で勉強しています。着工合意までに色々知らなくてはと思っています。「知っていれば採用したのに…(もしくは採用しなかったのに)」ということは出来るだけなくしたいです。
ハウスメーカーの営業担当も全ての建材・デザインを知っているわけではありませんし、知っているものに限定しても全てを提案できるわけではありません。
後悔しないためにも、施主は勉強したほうがいいと思います。
でも、家づくりにあたって施主が最優先でやるべきことは、
- 新しい住居でどんな暮らしがしたいのか
- どんな空間・テイストが好きなのか
- どの部屋・場所を重視したいのか
- 家事は「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「どのように」行うのか
- 将来の計画(子供、自分の親、ペット、クルマなど)
- 現住居の何が不満・問題なのか
といった点をまとめることだと思います。
これが「暮らし」であり、先の例でいう「穴」です。
例えば…
- 休日はひたすらリビングホームシアターで映画を見たい
- 落ち着いて読書したい
- 仕事やパソコンは狭くて3方囲まれてるくらいのほうが集中できる
- 共働きなので、洗濯は休日にまとめて行う(夫婦どちらかが)。基本乾燥機と室内干し。
- クルマは現在○○だが、今後××に買い替え予定
- 今の家は脱衣室で洗濯物を入れておくスペースが少ない
ハウスメーカーは知らないことばかりです。
それをハウスメーカーに上手に伝えることが出来れば、いい家ができるのではないかと思います。

上の例は全部うちのことね…。
目的(暮らし)を伝えれば、手段(住宅)についてはプロが最適な方法を考えてくれるはずです。
※営業担当が優秀な場合に限ります…
もし、暮らしよりも先に必要な部屋や広さを聞いてくる営業担当がいれば、「どのようなスペックのドリルが必要ですか?」と尋ねているホームセンター店員と同じレベルということになります。
施主が求める暮らしに必要なスペースと配置を考えるのがハウスメーカーの仕事です。
ハウスメーカーと情報の非対称性を解消できれば、同じ方向に向かって家づくりができます。
間取りは上記の通りですが、キッチンなどの水回り設備は指定した方がいいと思います。グレードの低いもので、安い見積を見せられるはあるあるです。
kikorist夫婦の家づくり
「あんな細かい提案依頼書作っておいて何をのたまうのか」と思われるかもしれません笑
確かに提案依頼書で必要な部屋と広さをはっきり書きました笑
ただ、これはなんとなくで書いたわけではなく、今の住まいや生活、持っている家具家電、家族の計画から、新居ではこのくらいのスペースが必要、と算出したものです。
そして、ハウスメーカーの営業担当もピンキリだと思っていたので、(あまり優秀でない営業に当たった場合は)書いたほうが早いだろうと判断しました。資料として渡しておけば、少なくとも設計士の手には渡るはずです。
ハウスメーカーを決めたあとはともかく、選定までに各社に何度もプランを出し直してもらう余裕はありませんでした(土地契約とローン申請までに時間がなかったため)。
また、ライフスタイルも資料に書き、書いてないことも出来るだけ打ち合わせで伝えたつもりです。
一方であえて指定しなかったこともあります。
「建物は2階建てか3階建てか」「各部屋、水回りをどの階にするか」など。リビング階段とか吹き抜けとかも同じです。
これは私たちが考えるよりも、ハウスメーカーに提案してもらったほうがいいと考えたからです。
私たちはハウスメーカーにお任せする部分は任せて、ベース部分から細部は一緒にアイディアを出しながら詰めようと考えていました。細かな使いやすさやどう使うかといったことは最終的にはやはり施主でないと分からないことです。
私たちはまさにちょうど細部を詰めている段階です。
収納1つとっても、何をどうしまうのか、もっと効率を追求できないか、定位置からの見栄えはどうかとか考えてしまいます(定位置=例えばリビングのソファやダイニングの着席位置から収納の扉は見えないほうが綺麗だと思います)。
あとは何と言っても減額笑
建築費用を減額するには、建築面積(建物を真上から見たときの面積)を縮小することと、基礎工事(1階部分)の面積を小さくすること、矩形(建物の外形)の凸凹をなくして長方形にすることがポイントです。
でもそうすると色々影響が出るので、工夫が必要になります。細かい部分では色々ネットで調べた事例が役立ちます。
限られた予算の中で、優先順位を決めながら進めています。
こういう時に住友林業の木造ビッグフレーム構法でよかったと思います。鉄骨造やユニット工法、2×4では、ちょこちょこした変更がなかなか難しいです。
あとはいつまで、とか打ち合わせ○回までといった制限がなく、営業担当と設計士が納得いくまで付き合ってくれるのもありがたいです。低価格メーカーだとこのあたりの制限があります。
めんどくさい施主です笑
まだ建物どころか、プランも確定していない施主が、いい家づくりについて語ってしまいました…。
でも、ドリルと穴の例を考えると、そんなに的外れではない気もしています。

いい家が出来てから語りなさい。

どんな家になるのかはお楽しみということで…笑
そのうち間取りも紹介したいと思います。
11日が新年最初の打ち合わせです。間取りの打ち合わせ頑張ります。

既に完成してwer内覧会している方のブログは特に参考になるはず。

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